ハメる間取り

本作は一見すると官能的な作品でありながら、建築を題材にした心理的サスペンスとしても成立している物語である。
間取りという日常的なモチーフを通して、狂気と快楽の境界線を探る独特の構成が特徴である。
登場人物の心理描写が丁寧であり、性行為そのものよりも「空間」に支配されていく恐怖と興奮が中心に描かれている。
サークル「こっとろん」が得意とする緻密な構成と濃密な肉体表現が融合した作品である。
快楽と恐怖が同時に進行する異色のエロティックミステリーである。

あらすじ

建築学科の学生・ユリは、卒業制作のためにとある古びたアパートの間取りを調査していた。
しかし、図面に記された部屋の構造が実際の間取りと異なっていることに気づく。
不審に思い調査を進めるうちに、彼女は「間取りそのものが人の行動を操る」という不気味な法則を発見する。
そして、その部屋に足を踏み入れた瞬間から、ユリの身体と理性は空間に支配されていく。
意志とは裏腹に、狂気と欲望が入り混じる密室の儀式が始まってしまうのであった。

注目ポイント

• “間取り”を題材にした独創的なエロティック・サスペンス。
• 建築学を背景にしたリアリティある設定と演出。
• 空間によって支配されるという心理的恐怖の表現。
• 快楽と狂気が同居する濃密な描写。
• 終盤にかけて現実と幻想の境界が崩壊する構成。

プレイ内容

本作ではフェラ、パイズリ、中出し、潮吹きなどのプレイが登場します。
性行為そのものが物語の中心ではなく、空間と心理の相互作用によって快楽が生まれる構成になっています。
特に密室での行為は、逃げ場のない緊張感と支配の快楽が強調されています。
肉体的な描写と同時に、狂気に取り憑かれていく過程が克明に描かれています。

仕様

本編は全147ページ構成で、モノクロを基調とした繊細なタッチで描かれています。
サークル「こっとろん」による完全新作であり、物語・構図・演出のすべてが統一感をもって作り込まれています。
各章の区切りには「間取り図」を模したデザインが挿入され、作品全体の没入感を高めています。
エロスとミステリーが融合した、ジャンルの枠を超えた意欲的な一冊です。